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デザインブック

労働災害事例:グラインダー

分類:グラインダー

 

可搬式グラインダーの砥(と)石が割れて当たり、

死亡。

          

【発生状況】                   

鉄骨造り建物の新築工事において、天井ボードの

切断作業を行っている時に発生した。

 

当日、下請業者の職長Aと作業者2人の計3人が現場に

入り、元請の担当者Bから天井に点検口を設置する

よう指示され、Aは作業を始めた。

作業は、点検口を設置する天井の下に置いた脚立と

積み重ねた床材にAが乗り、可搬式グラインダーで

天井に切れ込みを入れて開口部を設ける方法で行わ

れた。作業を始めて20分ほど経過した時、グライダー

の研削砥石が天井ボード裏の金属製下地材に接触して割れ、飛来した砥石の破片が作業者に当たって被災した。Aは防護面などの保護具を使用していなかった。

Aが使用していた可搬式グラインダーは、砥石の覆いがなく、割れた砥石の飛来を防止することができなかった。また砥石がグラインダーの性能に適合しておらず、最高使用周速度を超えて使用していた。

             

【原因】                           

  •  Aは、切断する天井ボードの裏の状況を確認しないまま作業を開始し、ボード裏の金属製下地材に気づかず、これに砥石が接触して割れ、飛散した。また、作業指示をしたBも天井ボードの裏の状況については説明していなかった。

  • 研削砥石の覆いがない可搬式グラインダーを使用したため、飛散した砥石を防ぐことができなかった。

  • グラインダーに適合しない砥石を使用したため、砥石の最高使用周速度を超えて使用した結果、軽く接触しただけでも砥石が耐えられる以上の力が加わり飛散した。

  • Aが防護面を使用していなかったため、負傷の程度が大きくなった。

             

【対策】                           

  • 作業を始めるに当たって、作業個所の状況を見えない部分も含めて確認し、状況に適した工具を選定して作業する。また、作業指示者もあらかじめ状況を確認して、指示の際に確認した状況を説明する。

  • 現場で使用する工具類は、あらかじめ点検を行い、覆いが欠けている等の不具合があるものは現場に持ち込まないようにする。

  • 研削砥石には、それぞれ最高使用周速度が決めらており、最高使用周速度を超える回転数で使用すると、砥石が割れるおそれがある。このため、グラインダーの回転数を確認し、適合している最高使用周速度の研削砥石を使用することが必要である。

  • 作業を計画する時には、予想される労働災害を防止するために必要な保護具を決め、作業者には作業中必ず使用させる。

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