
労働災害事例:車両建設機械
分類:車両系建設機械
河川法面の工事中、パワーショベルの作動範囲にいた作業者がバケットに激突される。
【発生状況】
河川の法面にコンクリートブロック(以下「ブロック」という。)
を設置する作業中に、旋回したパワーショベル(以下「重機」と
いう。)のバケットが作業者の頭部に激突し、死亡した。
工事は、河川法面を護岸するもので、護岸の内容は、延長18m強、
法長3.4m、勾配64度である。
災害発生当日の作業は、重機を使用してブロックの設置及びすき間
への砂利・土砂の充填を行うものである。重機はブロックの設置を
行う法面上方の平地に設置され、Aが当該重機の運転をし、被災者
Bは、重機で投入した砂利・土砂を充填する作業に従事していた。
災害は、上記作業においてAが、左旋回させるつもりの重機を右旋
回してしまったため、ブロック設置場所にいた被災者Bにバケット
が激突したものである。
Aは、車両系建設機械の技能講習を修了し、長年の運転経験がある。また、Bは一般的な入場者教育は受けていたが、重機の作業範囲内からの退避等については明確な指示を受けていなかった。なお、Bは保護帽を着用していた。重機は、特定自主検査を実施していた。当該作業についての作業手順は作成されていなかった。
【原因】
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重機が作動している時に、被災者が重機に接触するおそれのある範囲にいたこと。
重機災害は、作業者が重機の作業範囲内において、わずかに退避し、重機と共同作業を行うような状況で多く発生している。また、作業者、運転者、監督者が危険に慣れきっているような場面も多く見かけられる。
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重機の運転者が、重機に接触するおそれのある範囲に被災者が立ち入っているにもかかわらず重機を運転したこと。
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重機の作動範囲内への立入り禁止及び重機の作動範囲に立入っている時の運転停止についての指示がなされていなかったこと。
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運転者が重機の旋回の方向を誤ったこと。
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重機への接触防止等のための誘導者を配置していなかったこと。
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作業標準が作成されておらず、また、安全衛生教育が行われていなかったこと。
【対策】
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重機に接触するおそれのある範囲から作業者を確実に退避させるとともに、重機の運転者に対し、重機の作動範囲内から作業者が退避していない場合には、退避を指示させるか、重機の運転を停止するよう徹底すること。
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重機運転時の作業について、立入り禁止措置、作業者の退避場所、退避確認等を定めた作業手順を定め、作業者及び運転者に対し安全衛生教育をおこなうこと。
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作業の巡視を行い、重機の作動範囲からの退避状況等を確認し、作業手順に基づいた作業を確保すること。
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作業内容を検討し、重機の運転者の死角となる範囲での作業が行われる場合等には、誘導者を配置して運転者を誘導すること。
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重機の運転者に運転教育を実施すること。特に機体の旋回についてはうっかりして逆方向に操作してしまうことがあるので、十分に注意して運転することを徹底すること。


