
労働災害事例:車両系建設機械
分類:車両系建設機械
生コンをパワーショベルのバケットに入れて運搬作業中、路肩に接近しすぎて横滑し、バケットが被災者を直撃。
【発生状況】
高架橋の橋脚耐震補強工事現場において、パワーショベル(以下
「重機」という。)により運搬された生コン打設、均しの作業で
発生した。
この作業は、コンクリートミキサー車から、重機(機体質量6.2t)
のバケット(容量0.25m3)に生コンを入れ、約10m先の生コン
打設場所まで運搬し、バケットを傾けて生コンを流し込み、
これを地上の作業者がスコップ等で均し、その上からバイブレー
ターで空気抜きを行うものである。
災害発生当日、重機のバケットに生コンを入れ、前進にて生コ
ン打設現場付近に行き停車した。このとき、左側(谷側)履帯の
前方が路肩付近にある石(45cm×26cm)に乗り上げていた。
その後、上部旋回体を約90°左旋回させて生コン打設位置まで
バケットを移動させて停止させたところ、重機の左側履帯前方が谷側方向に滑り、路肩が崩れて重機の本体が約30°不意に傾いたため、バケットが下がり、生コン打設現場付近にいた被災者がバケットに押しつぶされ死亡したものである。
【原因】
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重機の運行する作業用道路は、車体全幅と比較して、必要な幅員より狭く、また、重機の転倒、転落を防止する措置等がなかったこと。
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重機が路肩近くで、かつ、左側履帯前方を石に乗り上げた状態で停車させたこと。
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重機を用いてコンクリート打設作業を行うに際して、作業者が重機の可動範囲内に立ち入ったこと。
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重機を用いてコンクリート打設作業を行うに際して、使用する車両系建設機械の種類および能力、運行経路、作業の方法について、事前に十分な検討が行われておらず、適切な作業計画を立てずに作業が行われたこと。
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作業現場の安全管理体制が不十分であったこと。
【対策】
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重機の運行する作業用道路は、車体全幅と比較して、必要な幅員を確保するとともに、路肩の崩壊による重機の転倒、転落を防止するための措置等を講じること。
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運転者は、重機を停車させる時、路肩崩壊による重機の転倒、転落等のおそれのない安全な場所に停車させること。
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重機を用いてコンクリート打設作業を行うに際しては、監視人の配置、作業手順の徹底、警告灯の使用等により、作業者を重機の可動範囲内に立ち入らせないこと。
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重機の能力、運行経路、作業の方法等について、事前に十分な検討を行い、適切な作業計画を立て、作業計画に従って作業を行わせること。
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作業現場の安全管理推進者を選任し安全管理を徹底するとともに、作業者に対する危険予知訓練等の安全教育を十分に行うこと。


