
労働災害事例:ローラー
分類:ローラー
舗装路面の改修工事中に後進してきたタイヤローラーに巻き込まれる。
【発生状況】
アスファルト舗装路面改修工事において、作業者が後進して
きたタイヤローラーの後輪に巻込まれた。
災害発生当日は、ドラグ・ショベルの運転手が休暇を取った
ため、タイヤローラーの運転手がドラグ・ショベルの運転も
兼ねて行うことになった。
アスファルトを除去した深さ40㎝の箇所にセメントを散布し、
セメントと土とをドラグ・ショベルで混ぜ合わせ、次にスコ
ップと木製のトンボを使っての整地作業と手押しローラーを
使っての転圧作業を行った。
その後、タイヤローラーを使っての転圧作業工程となったが、
機械の運転者が、喉を潤すため給水場所へ行って不在になっ
ていたので、班長は、近くにいた作業者にタイヤローラーの
運転を指示した。
指示された作業員が、タイヤローラーを運転し、転圧作業を行っていたところ、アスファルトの切り口付近で路盤の整地作業をしていた被災者が後進してきたタイヤローラーの後輪タイヤに巻込まれ、死亡した。
【原因】
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タイヤローラー等の車両系建設機械を用いて行う作業であるにもかかわらず、あらかじめ作業計画を定めていなかったこと。
また、アスファルト補修工事を行う場合の作業マニュアルが作成されていなかったこと。
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作業中のタイヤローラーに他の作業者が接触するおそれがあるにもかかわらず、立入り禁止の措置を講じず、かつ、誘導者を配置しないで作業者を立ち入らせたこと。
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タイヤローラーの運転資格のない者に機械の運転をさせたこと。
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タイヤローラーの運転を資格が無いにもかかわらず運転を行い、かつ、後方の安全確認を行わなかったこと。
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資格の無い者にタイヤローラーの運転をさせるなど安全管理が十分に行われていなかったこと。
【対策】
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車両系建設機械を用いる作業は、作業計画を作成し、その計画に基づいて行うこと。ま
また、作業計画を定めたときは、関係作業者に車両系建設機械の経路・運行経路・作業の方法を周知徹底させた後、作業を行わせること。
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運転中の車両系建設機械に接触することにより作業者に危険が生ずるおそれのある場所には、立ち入り禁止措置を講ずるか、または、誘導者を配置して誘導させること。
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車両系建設機械を用いて作業を行うときは、有資格者に運転させること。
運転や操作作業で資格が必要な者については、有資格者の一覧を作成するなど常に有資格者の充足状況を把握するとともに不足が生じた場合は、直ちに補充するなどの措置を行うことが必要であること。

