
労働災害事例:ダンプ(舗装)
分類:ダンプ(舗装)
道路舗装工事で側溝の養生作業中、バックしてきたダンプカーにひかれる。
【発生状況】
道路舗装工事現場で道路を横断する側溝にアスファルト
合材が入らないよう側溝の蓋に鉄板を固定する作業中、
アスファルトを積んでバックしてきたダンプカーに被災
者がひかれた。
この工事は、国道に接続する町道の工事で、災害発生当
日の午前中に町道の左側半分を施工し、午後からは右側
半分を施工することになっていた。
当日の朝は、現場責任者以下15人で午前8時より作業
ミーティングが行われ、被災者は一般車両が町道を通る時に、作業中の作業員に車両の通行を知らせる仕事に就くよう指示された。
午後の作業も順調に進んでいたが、舗装予定の途中に町道を横断する側溝があり、これには桟の切ってある鋼製の蓋が被せてあって作業中にアスファルトが側溝に入ってしまうので、作業員の一人が鉄板を固定する作業を行っていた。
被災者は、一般の通行車両の誘導を行っていたが、通行量が少ないのでこの作業の手伝いを始めた。
しばらくして、アスファルトを積んだダンプカーがバックで進入してきて、被災者をひいてしまった。
【原因】
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舗装工事中の道路を一般車やダンプカーが頻繁に出入りするにも拘らず、作業誘導員を配置し、的確な車両の誘導を行わせなかったこと。
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ダンプカーを後進させるにあたり、後方の確認が不十分であったこと。
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側溝のグレーチングの養生などについて、施工計画が十分に検討されていなかったこと。
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現場に出入りするダンプカーの運転者との作業に関する連絡調整が十分に行われていなかったこと。
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複数の下請事業場の作業員が混在して作業を行っているのに、統括管理が十分に行われていなかったこと。
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労働者に対する安全教育が不足していたこと。
【対策】
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施工方法、工期等を含めた施工計画を事前に十分に検討し、関係者に周知徹底すること。
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車両系荷役運搬機械等に接触する恐れがある場合は、作業員の立入禁止、または誘導員の配置を行うこと。
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作業員に対し、危険個所への接近禁止、誘導方法等を含め安全教育を十分に実施すること。
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工事現場に係わる関係業者の作業前の打合せを確実に実施するとともに相互の連絡体制を確立すること。


