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デザインブック

労働災害事例:湾港

分類:湾港

 

ガットパージ船で土砂の検収作業中、旋回されたクラムシェルのカウンターウェイトと土砂ピットの間に挟まれた。

          

【発生状況】                   

護岸築造工事で発生した土砂を運搬してきたガットパージ船を、土砂の引き渡しのため岸壁に接岸させ、土砂の搬出元と受入先の双方の作業員(合計3名)が検収作業を行っていたところ、船尾側の係留ロープが岸壁に設置された金具に固縛されていなかったため、ガットバージ船の船尾側が風や潮の影響で岸壁から離れ始めた。

これに気がついたクラムシェルのオペレーターは、クラムシェルで海面を漕ぐことにより船尾を岸側に近づけるためクラムシェルを海側に旋回させたところ、土砂ピットとクラムシェルのカウンターウェイトの間で、メジャーを手にピットの深さを計測していた被災者が挟まれた。

尚、被災者を含む3名の検収作業者は検収作業の開始をオペレーターに伝えておらず、作業に集中していたため、クラムシェルが岸側から海側に旋回されたことに気がついていなかった。

             

【原因】                           

  • 係留していないガットバージ船に、検収作業者が乗船したこと。

  • クラムシェルの旋回範囲内に立ち入ったこと。

  • クラムシェルの運転者に、検収作業の開始を伝えていなかったこと。

  • 作業手順が作成されていなかったため、各作業者の判断で検収作業が行われていたこと。

             

【対策】                           

  • 検収作業に関する安全対策を明確にした作業標準等を作成し、関係労働者に周知するとともに、各労働者の判断で検収作業を行わせないこと。

  • クラムシェルが接触することにより危険を及ぼす恐れがある範囲に、労働者を立ち入らせないこと。

  • クラムシェルの旋回範囲内において検収作業等を行う必要がある場合には、原動機を停止させる等の措置を講じること。

  • 検収作業等の開始にあたっては、クラムシェルの運転者等の関係者に対し確実に伝達する等の措置を講じること。

  • 同一場所で混在作業を行う場合は、事前に十分な打ち合わせや事業場間での連絡調整を密に実施すること。

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