
労働災害事例:感電
分類:感電
枠組み足場上で手すり用の鋼管の取付け作業中、高圧電線に
接触し感電。
【発生状況】
住宅の外壁塗装工事用の外部足場組立作業中に、手に持っていた
鋼管を近接していた高圧電線に接触させ感電した。
災害が発生した現場は、住宅団地内にある住宅の改修工事で、
工事は3日前から建物外壁の塗装のための足場の組立て等を行う
下請けとこの会社の工事の一部を請負う三次下請の作業員で
進められていた。
建物の近くには、3,300Vと表示された高圧線があり、作業等は危険だから注意しようと話し合っていた。
災害発生当日は、二次下請から足場組立作業主任者と1名、三次下請からは被災者を含め3名が現場に入り、被災者は3段に組まれたわく組み足場の上で手すり用鋼管の取付け作業をしていたが作業を開始して2 時間ほど経過した時に手で持っていた鋼管が高圧電線に触れたため、感電し死亡した。
【原因】
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作業場所の近くに高圧電線があったのに、絶縁防護具の取り付け措置等を行わなかったこと。
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工事現場の安全管理体制が整備されておらず、業者間の連絡調整等の統括管理等が不十分であったこと。
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組立て時の危険性等の検討が行われず、足場の組立図も作成されていなかったこと。
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作業者に対する安全教育が不十分であったこと。
【対策】
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高圧の架空電線に近接して足場の組立て等を行う場合には、絶縁用防護具の装着等を行うこと。
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元方事業者は統括管理を十分に行うこと。
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足場の組立て等については、あらかじめ設置場所、周辺の状況等を調査のうえ、組立図を作成して行うこと。
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事業者は、雇用する労働者の安全教育を十分に行うこと。


