
労働災害事例:はしご
分類:はしご
下水処理施設建設工事で、足場の筋かいに立て掛けていた
はしごを昇降中に墜落。
【発生状況】
下水処理施設建設工事で、最終沈澱池の内部に組んだ
足場の筋かいに立て掛けていたはしごの昇降中に発生した。
オキシデーションディッチ(汚泥分解水槽)、機械室、
最終沈澱池、汚泥ポンプ室及び階段室を施工するもので
あり、発注者(設計管理)―元請(施工管理)―1次下請(施工)
という発注・請負形態のものであった。これらの一連の
工事は、ほぼ躯(く)体工事が完了し、その後は場内の
整理、器具の調整等の雑作業に入っていた。
最終沈澱地内の内部側溝への越流板の取付け作業、管理用タラップの取付け作業、内部の雨水の汲み上げ作業等を行っており、その際既に組み上げてあった枠組足場の筋かいにはしごを固定しない状態で約67度の角度で立て掛けて、作業や昇降に使用していた。
災害発生当日、元請の現場代理人は、1次下請の労働者である被災者に対し、管理用のタラップの取付け方法を教え、最終沈澱池内部の壁面に空けた穴にタラップを取付けるよう指示した。10分後、現場に戻ってみると、はしごが倒れており、被災者が底部に倒れているのを発見した。
【原因】
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はしごの設置について、安全な据付方法を採用していなかったこと。特に、はしごの上部及び脚部の固定を行っていなかったことが、はしごの滑動を引き起し、被災者が転落に至ったこと。
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被災者は、極めて不安定な状態ではしごの昇降を行った為、体をはしごに載せた時、はしごの脚部の滑動とともに、体のバランスを崩し、転落したものと推定されること。
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元請の現場代理人がはしごの設置状況が不安定な状況にあることをある程度推測していたにも拘わらず、具体的にはしごを点検し、被災者に具体的な固定方法を指示し、かつ、その結果を確認していなかったこと。
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被災者は、現場代理人が指示したとおりに頭部を保護するためのヘルメットや安全帯を着用していなかったこと。
【対策】
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はしごを昇降設備として設置する場合には、その長さや昇降時の安定性を考慮し、はしごの上部、足場との接点部及び脚部を適切、かつ、堅固に固定すること。
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例え、準備作業、短時間又は臨時の作業、後片付け作業などであっても、安全な作業方法について、元請の現場代理人と一次下請の工事責任者との間できちんとした話し合いを行い、作業指示書を作成し、それに基づいて作業員に作業を行わせること。
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枠組足場上での作業、はしごの昇降中であっても、作業員に対し、保護帽及び安全帯の着用及び使用の励行を徹底させること。
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毎日の作業開始前の安全ミーティングを励行し、危険箇所の点検方法、危険な作業の場合の安全作業のポイントについて、危険予知訓練、安全教育を作業員に徹底すること。


